金属酸化物触媒電極をカソードに用いる燃料電池の試み

摘要

白金触媒を用いない固体高分子形燃料電池のカソードを開発するための基礎研究として，チタン基板上に酸化イリジウムあるいはイリジウムと異種元素との複合酸化物被覆膜を塗布法により形成させた電極を作製し，硫酸水溶液中で酸素還元特性を調べた．酸化イリジウムに異種元素を添加すると触媒活性は向上し，検討した中で最も高活性な触媒電極はIr_(0.6)V_(0.4)O_2/Ti電極であり，酸素還元開始電位は60°Cで0.90V（vs．RHE）を示じた．この成果に基づき，多孔質チタン基板に酸化イリジウム層を形成させたカソードを用いた燃料電池を組み立てその発電試験に成功した．さらに，酸化イリジウムナノ粒子の触媒特性も評価し，触媒活性因子を吟味七た。