スズータングステン複合酸化物を固体酸触媒として犀いた高効率炭素-炭素結合形成反応

摘要

スズータングステン複合酸化物（Sn-W酸化物）の種々の炭素-炭素結合形成反応に対する酸触媒特性を検討した.(R)-シトロネラールの環化反応に対して，Sn/W組成比が2，800°Cで焼成したSn-W酸化物（SnW2-800）が最も高い活性を示し，活性の低下なく再使用可能だった．さらに，本触媒を用いると種々の基質を用いたDiels－Alder反応，シアノシリル化反応が効率よく進行することを明らかにした．2，6－ルチジンを用いた被毒実験により，SnW_2-800には活性の高いBronsted酸点があることが示唆された．Raman分光法,XRDによりSn-W酸化物中にタングステン酸化物クラスターの生成が示唆され，それが活性点として作用すると推定した．