ダイヤモンドライクカーボン薄膜の食品包装および医療機器への応用

摘要

ダイヤモンドライクカーボン（DLC）薄膜の高ガスバリア性および抗血栓性に着目し、食品包装容器および医療機器への応用について解説した。 食品包装分野ではPETボトル内面に数十nm DLC薄膜を被覆することにより30倍程度ガスバリア性を向上させることで、繊細な飲料であるビールなどの充填が可能となっており、一部すでに実用化されている。 また、医療機器の分野では心筋梗塞や狭心症の治療に用いられるステントへDLC薄膜を被覆することにより、ステントの抗血栓性が向上し、さらにフッ素を添加したF-DLC薄膜を被覆することにより従来のDLC薄膜に比べ抗血栓性および柔軟性を向上させることが可能である。