ダブルノッチ試験片を用いた高温圧縮層間煎断試験用黒鉛製治具の開発

摘要

炭素繊維強化炭素複合材料（C/C複合材料）は，その優れた特性から高温構造材料としての応用展開が期待され，研究が進められている。 C/C複合材料は，繊維軸方向の特性は優れているが,繊維軸以外の方向の特性は必ずしも芳しくない。 層間剪断強度（ILSS）もその1つである。 高温におけるC/C複合材料のILSSについては，いくつかの報告があるが，1000°C以上で一定となる報告と測定温度とともに上昇する報告がある。この理由の1つに，測定方法の違いが挙げられる。室温における眉間剪断強度の測定方法として，Iosipescu法，ダブルノッチコンプレッション法（目違い切り欠き圧縮法：DNC法）,ショートビーム法などが提案されている。 試料寸法,試料固定法の制約，さらには努断モードの実現性などを考慮するとこれら試験法のすべてを高温試験へ適用することは難しい。 前述の試験法を総合的に判断した結果，DNC法が高温試驗法として有用と考えられた。 そこで，高温ILSSの測定が可能なDNC用治具を新たに設計して，4種のC/C複合材料について高温ILSSを測定したので報告する。