履歴キャッシングを用いた確率的パケットマーキングの性能向上

摘要

IPトレースバックを実現する手法の一つであるProbabilistic Packet Marking (PPM)では、確率的なパケットマーキングのみを行うため、経路長（ホップ数）が長い場合、実際に攻撃経路を再構築するために必要なパケットが多くなるという問題がある。 本稿では、マーキングを行うルータが過去にマーキングを行った履歴をもとにサンプリングされたパケットのマーキング確率を変更し、マーキングの重複を軽減させる新しいパケットマーキング手法を提案する。 シミュレーションによる性能評価により、提案方式が従来のPPMと比較して大幅に必要パケットを減らしつつアタックパスの再構築が可能なことを示す。