[特別講演]光無線通信システムの地域ブロードバンドネットワークでの運用と評価検討－学校インターネットにおける光無線の稼動評価－

摘要

携帯電話等の無線システムの急速な普及に伴い，マイクロ波を中心とした周波数帯域の不足が生じている．一方，爆発的なインターネットの普及は，迅速かつ低コストでのブロードバンドネットワークの整備を要求している．こうした状況において，大容量でプロトコル的にファイバとの接続性に優れ，無線のようにインストールが容易でありながらライセンスが不要であり，他の媒体との干渉がなくセキュリティーの確保が容易である等の特徴を有する光無線通信システムは，ブロードバンドネットワーク構築の有効なソリューションとして再認識され始めてきた．本論文では，平成11年度から16年度までの5年間に渡り実施された，いわゆる「学校インターネット」プロジェクト[1]において，全国各地蝮で利用された屋外光無線通信システムの稼動状況を示すと共に，その稼働率を制約する気象依存性について議論し，その効果的運用に関する考察を行うと共に，その実用性を明らかにする．