ダイヤモンド砥粒を配列した砥石による純アルミニウムの研削特性

摘要

一般に，アルミニウム合金の研削加工には，軟質のGC砥石と極圧添加剤を含有した濃度の濃い研削液を用いる必要があり，仕上げ面粗さ，加工能率，廃液処理などに課題がある．そこで本研究では，ダイヤモンド砥粒を台金の外周に整然と配列したダイヤモンド砥粒配列砥石を試作し，一般砥粒砥石と研削性能を比較した．その結果，本配列砥石の場合，汎用の研削液を用いても，能率的かつ非常に低動力で工業用純アルミを加工できることが確かめられた．また，幅広い加工条件での研削実験の結果，研削抵抗に関する従来の理論が広範囲の条件で成り立つこと，仕上げ面粗さは一般砥石の場合よりも加工条件に敏感で，操作性も高いことがわかった．そこで，切れ刃高さを精密に整えた上で，テーブル速度を非常に小さくして研削したところ，1行程のトラバース研削で鏡面が得られた．