カーナビゲーションシステムのサウンドデザイン

摘要

自動車の車室内では，エンジン音，タイヤと路面で生じるロードノイズ，車速を増すと顕著になる風切り音以外の走行に直接係わらない様々な音色に対する要求が増えている。 ガタガタというラトル音やきしみ音，間欠的なワイパー音やウィンカー音，パワーウィンドやパワーシートなどの小型モータ音，ドアロックやスイッチ操作音，カーナビゲーションシステム（以下，ナビと記す）のディスクシーク音や操作音までがサウンドデザインの対象として取り沙汰されるようになっている。 ここでナビは，商品コンセプトに合わせた筐体や画面仕様がデザイナーの感性により決められている。 操作音に関しては，電子的に作成されるのでデザインの自由度は高いが，必ずしも車室内の音環境が十分に考慮されていないようである。 ここでは，自動車の車室内の音環境について述べ，音質評価に基づきナビ操作音を定量的に把握し，明瞭な音質に改善した事例について紹介する。