トンネル工事における最近の施工技術と施工機械：ツインアーチジャンクション工法－シールドトンネルの非開削連結技術

摘要

従来、シールドトンネルに分岐を設ける場合には、トンネル構築後に地上から開削工事を行うか、事前に構築した立坑で分岐部分を建設する方法が一般的であった。 しかし、近年、特に都市部においては、工事用地の確保が困難であることや、地下埋設物が輻輳している事などの理由により、地上からの工事が困難になるケースが増えている。 また、地上からの工事が可能な場合であっても、トンネルの大深度化に伴って立坑の築造費用が大幅に増加することや、工事周辺環境に悪影響を及ぼすことなどから、地中の作業だけでシールドトンネルの分岐·合流部分を築造する技術の開発が望まれていた。 特に、近年、都心部で計画されている道路トンネルにおいては、比較的長い距離の織り込み部を有する分岐·合流区間が必要となるため、開削工事を適用した場合には、建設コストや周辺環境へ及ぼす影響が相当に大きくなるため、非開削工法による構築技術の開発が強く望まれていた。 「ツインアーチジャンクション工法」（第1図参照）は、道路トンネルの分岐·合流部分や、鉄道トンネルの駅部および渡り線部を、非開削で構築することを目的に開発した技術である。