クレーン設計のヒント(10)－座屈について

摘要

座屈に関した教科書には「チェモシェンコ」の座屈理論があります。クレーンの座屈計算も，この理論に基づいています。座屈（ざくつ，Buck-ling）は，構造物に加える荷重を次第に大きくすると，ある荷重で急に変形の様相（モード）が変わり大きなたわみを生ずることをいいます。構造物に座屈現象を引き起こす荷重をその構造物の座屈荷重といいます。クレーンの構造設計では柱の座屈の計算基準としてω法を採用しています。これはドイツの規格旧DIN4114が元になっています。柱の座屈強度には「元たわみ·荷重の作用点のズレ」が大きく影響します。これらは製作精度に関係しています。真っ直ぐ製作したつもりでも初期たわみはゼロではありませh。又，荷重点で考えても，柱の中心に力を加えるように設計しても実際には若干のズレがあります。これらのことが旧DIN4114 では考慮されています。