事故とヒューマンファクター(4)－チームは家族

摘要

「たかが選手ごときが！ 」という発言は昨年10月の月間流行語大賞の第一位にも選ばれて，プロ野球における球団オーナーと選手会の関係が世の関心を集めた．当初，機長と副操縦士もこの球団オーナーと選手会のような関係にあった．ところが，幾つかの航空機事故を調査した結果，機長の権威が強すぎて何事も機長の独断でフライトが行われ，副操縦士や航空機関士の意見は全くと言っていいほど取り入れられなかった．また，副操縦士たちも機長に自分の意見を述べる雰囲気ではなかったこともあり機長の言いなりになっていた．つまり，チームとして機能していないことがわかった．これは，機長がいくら優れていても他のクルー（crew：乗組員）と力を合わせなければ事故を防げないことを意味していた．ベテラン機長も所詮人の子，白から限界があるのである．