インド取材報告 Part 3－世界工場みて歩き：多忙を極めるインド企業の製造現場－ITだけじゃない工作機械産業の底力

摘要

本誌3～4月号で「インド国際工具·機器見本市」ならびに「最近のインド工作機械業界構造」を報告した。本稿はその折に訪問したインド工作機械メーカー3社（うち成形機メーカー1社）および自動車部品メーカー2社の「工場みて歩き」である。 ITが先導し、新たな経済パワーとして台頭したインドは、「眠れる巨象立ち上がる」として、世界が中国に続くジャイアント市場として注目する。しかし、道路、電力、港湾などインフラ整備は依然として建設途上だ。 カースト制を引きずる「縦一線」の社会構造のなかで、労働者の民主主義意識は強い。 ストライキが頻発し、苦難の道を歩む日系進出企業の姿もある。 インド工作機械産業は国営·大手企業が需要の8割を獲得し、残り2割のパイを約300社の零細·中小メーカーで奪いあういびつな業界構造がネックだ。 ここでは訪問企業の「インド式ものづくり」現場を描写しながら、業界が抱える問題点と将来像を探った。