耐火物熱的·機械的性質の評価--基礎と応用（その13）/5.1非弾性変形［塑性·クリープ·粘弾性］--基礎（2）

摘要

2回にわけて，非弾性変形についてまとめてきました。耐火物は，基本的には完全弾性体として挙動することは，ほとhどありませh。低温では弾塑性から擬弾性，高温ではクリープというように永久変形を起こします。永久変形でも，時間依存しない塑性と時間依存のあるクリープ，遅れて回復変形する擬弾性（クリープ）など，あらゆる非弾性変形現象がおこります。 しかし，多結晶体と異なり骨材含有硬化体といえる耐火物は，複雑な挙動を示し，変形機構の長からも，構造体としての多軸応力解析の点からも，金属，セラミックス，コンクリートなどの理論を借りてきていることが多く，十分に解明，応用されているとはいえませh。このような非弾性変形が，耐火物構造体の寿命に密接に関係していることは，周知の事実であり，今後の耐火物独自の理論化が進むことを期待しています。 本章では，やむを得ず数式が多くなりました。 また，機械，金属，セラミックス，コンクリートなど各分野ごとに理論的検討が進hできたためか，耐火物研究者にとっては，わかりづらい分野でもあります。 あえて，広く浅くまとめてみましたが，筆者の理解不足などから，十分に理解できない時は，文献，成書などを参照してください。