21世紀における地質調査所の役割

摘要

この記念すべき集まりでお話しする機会を得，大変光栄に思います。私は，地球科学及び地震の研究を始めて早々に，ここ日本で行われてきた科学研究の重要性を悟りました.液状化現象についての知識の多くは，日本の科学者による1964年の新潟地震の研究成果であったことを思い出します。 過去38年間日本の研究に対して尊敬の念は増す一方でした。 従いまして，この喜ばしい機会に参加させていただき非常に感激しております。 人間は，何世紀にもわたって，住居，燃料及び生活の基本的必需品を地球資源に頼ってきました。 18世紀から19世紀にかけて世界の工業化が進hだ時代，エネルギー及び鉱物の需要は急速に増大しました。 地域内の石炭や鉄の産出量では，拡大する需要をまかなうことができなくなりましたし，より大きく袴雑なビルを建設する岩石も地域内では適切なものが見つからないこともありました。 このような状況から，政府が専門家を集めて組織的に地域或いは全国規模で，鉄や銅，錫，金，銀などの鉱物，様々な種類の岩石の地質学的背景，及びこれらの天然資源を利用するために必要なエネルギー資源の広汎な分布を認識する必要が生じたのです、最初，暫定の地質探検隊が組織され，彼らの発見が公開されました。これらの努力の結果が次第に認められるようになり,国家規模の組織，「地質調査所」が形成され，成功を収めました。1850年から1950年の100年間，多くの国々が国立の地質調査所の存在によって莫大な利益を得ることができました。しかし，その1950年代の終わり頃までに，一大進歩を遂げた工業化は，成熟期を迎えました。 多くの国のリーダー達の目には，国家レベルの地質調査を続ける必要性は，かすhで見えるようになりました。 そして続く50年間に，世界中の多くの地質調査所が，構造改革，再編，縮小あるいは完全な消滅を経験したのです。 いくつかの国々では，地元のあるいは種目別に編成された探査グループが，回の天然資源の探査に必要な地質学的評価を行いました。