過熱蒸気発生高周波誘導加熱システムの開発

摘要

近年，環境問題への関心が高まるなかで，ゴミ処理，資源リサイクル，低公害化，殺菌及び食品加工などへの応用として過熱蒸気の適用が注目されている．なかでも，NASA（アメリカ航空宇宙局）の宇宙食製造における安全管理システムを応用した食品の安全と品質を保証する国際認証システム「HACCP」(Hazard Analysis Critical Control Point) ハセップに関しては，日本から欧米に輸出される水産物，加工食品等のHACCP対応が急務とされている．HACCPの導入においては，徹底した調理の工程管理が要求される関係上，塩素消毒等による殺菌，滅菌が頻繁に行われる結果，塩素系の過剰使用傾向が指摘されている．このような現状において，殺菌，滅菌さらには食品加工に過熱蒸気を適用することは，食品の安全性を確保する新技術として注目されており，同時に加工食品の品質向上の切り札としても期待されている．また，船舶による穀物などの輸送においても，HACCPへの対応を考慮しなければならないものと考えられる．