Turn-on型蛍光プロ一ブを用いるタンパク質の新規ラベル化法

摘要

タンパク質のラベル化法は，生 命現象解明のためのツールとして 飛躍的な進歩を遂げてきた.しか しながら既存法の多くは，タンパ ク質本来の構造や機能に影響を与 える場合があり，また化学プロ一 ブ分子によるラベル化法では，そ の反応性の低さなど克服すベき課 題も多い.そのため，汎用性が高 い実用的なタンパク質のラベル化 法の開発が望まれている。今回Langらは，ノルボルネンと のDiels-Alder反応でturn-on型蛍 光を示すタンパク質の新規ラベル化 法を開発したので紹介する（図1)。彼らはまず，古細菌由来のアミ ノ酸であるピロリシン（1)の類縁 体であれば，既知の系を応用す ることで融合タンパク質として発 現が可能であると考え，2を設計 し合成した.次いで,彼らは2を 大腸菌のタンパク質（GFPゃミォ グロビン（Myo))に組み込むこと に成功した（図2).