コメ型経口ワクチンによる粘膜感染症の予防法の確立を目指して

摘要

粘膜免疫システムを応用した経口·経鼻投与型の粘膜ワクチンは，従来までの注射型ワクチンでは獲得不可能である粘膜組織での防御免疫を誘導可能であることから，特に粘膜感染症に対する予防ワクチンとして最適とされている．今日用いられているワクチンには，①ウイルスや細菌といった病原性微生物そのものを弱毒化してワクチン株とした生ワクチン，②病原微生物やその産生毒素等をホルマリンや熱処理した不活化ワクチン，③免疫原性の高い抗原決定基を含む領域を遺伝子組み換え体として発現精製したサブユニットワクチンが存在する．