液晶プロジェクタの設計の変遷

摘要

液晶プロジェクタはパソコンやビデオ映像を大画面に拡大投影する映像機器で，企業，教育関係，ホームシアターなど幅広く利用されている．液晶プロジェクタの登場は1988 年に遡るが，本格的に普及しはじめたのは，データプロジェクタとして発展する1994 年以降である．本格的なデータプロジェクタが登場した1994 年以降の技術的な進歩は目覚しいものがあり，またプロジェクタ市場も急速に拡大した．2001 年現在，市場は140 万台前後にまで成長したが，今後も年率20%前後の市場成長率が予測されている．また最近では液晶プロジェクタはホームシアターとして使われはじめ，家庭での大型映像表示機器として今後の市場拡大が期待されている．ここでは，1988 年から今日に至るまでの液晶プロジェクタの設計の変遷を，ポイントになった技術革新を中心に，液晶プロジェクタのシステム全体と，これを支える機構，光学，回路の要素技術について概説する．