対話ロボットの人間へのアプローチ方法－対話ロボットの対話開始に対する戦略

摘要

本稿は，ロボットはどのようにして人間にアプローチすればよいかという単純な目的から始まった我々の最初の考えは，ロボットを人間のそばまで近づければ対話が始まるであろう，というものであった．しかしながら，その考えでは対話を上手く開始させることはできなかった．人々はロボットよりも早く移動するために対話が開始できない場合もあったが，驚くべきことにロボットの存在に気づかず対話が始まらない場合や，ロボットの意図が分からなかったために対話が始まらないといった場合が存在した．我々はこれらの失敗に基づきアプローチビヘイビアに関するモデルを構築した．モデルでは，まず対話を開始できそうな人間を選択する．続いて，ロボットの存在を知らせるようにアプローチパスを決定する．そして，ロボットが対話対象の社会的距離に入れた場合，ノンバーバルに対話意図を人間に知らせるという3段階から構成される．フィールドトライアルの結果は，提案モデルの有効性を示した．提案手法では59回中33回の成功率であったのに対して，シンプルなアプローチビヘイビアでは57回中20回の成功率であった．さらにフィールドトライアルの間，我々はロボットからの情報を楽しhでいる状況を見ることができた．これらのことは，積極的なアプローチから始まるサービスの有用性を示している．アプローチビヘイビアの有用性は様々であり，情報伝達サービスのみに限られない．例えば，荷物を運ぶといった物理的なサービスにも適応可能である．我々の次の課題は，提案したアプローチビヘイビアを次のサービスと接続していくことである．