「進化」する疾患モデル動物第9回　自己抗原ノックアウトマウスを用いた天疱瘡モデルマウス

摘要

天聴瘡（pemphigus）は皮膚および粘膜に生じる臓器特異的な自己免疫性の水痘形成性疾患であり，自己免疫疾患の中でも最も解明の進hでいる疾患の1つである?臨床的には尋常性天痘瘡（pemphigus vulgaris；PV）と落葉状天聴瘡（pemphigus foliaccus；PF）とに大きく分類される。 PVは主に粘膜に水痘を形成する粘膜優位型と，粘膜に加えて皮膚にも水痘を形成する粘膜皮膚型に分類され，PFは主に皮膚のみに水痘を形成する．天痘瘡は著しい痺痛や2次感染を伴うこともあり，適切な治療が施されない場合は死に至る難病である1）．天塩癒の自己抗原タンパク質は重層扁平上皮の角化細胞上に発現するカドヘリンタイプの細胞間接着因子で，デスモゾームに存在するデスモグレイン（Desmoglein；Dsg）である（図1）．PV，PFの自己抗原はそれぞれDsg3，Dsglであり天痛癒は抗Dsg自己免疫疾患と定義することができる2）．病理組織学的にPVは表皮下層の基底層直上に，PFは表皮上層に裂隙を形成し，免疫組織学的には細胞表面へのIgGクラスの抗体沈着が特徴である。