歴史から学ぶ魚病学の展望

摘要

水産大国である我が国においては世界とはやや趣の異なる形で展開されてきた「水産学」であったが，その中でもとりわけ「水産増発植学」は実学としての有用性に研究基盤をおいてきたと言えよう。 遠洋漁業のみならず沿岸漁業の急激な衰退と相まって経済的行為として発展してきた魚介類の華楢葉，またその後の「栽培漁業」へとつながる増殖こ業（事業）は，陸上における農業や畜産業に相当する人為による有用水産物の生産?増産を目指したものであった。 そこでは，種苗の碓保に始まって餌札飼育方法の改尊など，''より効率的な''生産のための技術革新が主体であった。 しかし，有用魚介頬の椰苗の大量生産や賛成魚の促成技術革新の結果，"負"の要素としての病害の問題が，陸上の世界に迫姫するかのように萱場してきた。薄地生産節会体に占める無病被害額が数パーセントであることの社会的?綴済的意味づけは別にして，魚病の重要性に関する論議はあくまでも人為によって哨脊椎された有用水産動物の「t二ばけの問題として捉えられてきた。