マルチメディア基本構想後のアクセス網の経済化の進展-建設，運用性を考慮した光ファイバケーブルと関連技術-

摘要

1994年1月，NTTは，「マルチメディア時代に向けての基本構想」を発表し，マルチメディア時代におけるNTTの役割を明らかにし，アクセス綱の光化を積極的に進めることとした。 また，その年の12月には「アクセス綱光化の整備目標の設定」の中で，具体的な目標と実現に向けた取り組みを明らかにした。 それまでの光化は，専用線や光多重化装置を使用した限られた需要，エリアに対応したもので「少ない需要だから高い→高いから需要が出ない」という「虚のスパイラル」から抜け出せない状況であったので，このジレンマから脱却し光を面的に展開していくために必要な事柄を明確にしたものであった。 そこには，自社の利益だけを考えるのではなく，日本の情報通信の担い手としての使命感に立ち行勤しようとするNTTの姿があった。