物理数学授業における数式処理システムを利用した教材の活用

摘要

著者の担当している物理数学の授業では，微分方程式とフ－リエ解析を講義しているが，受講者（名古屋大学情報文化学部生）の全員が必ずしも自然科学系のコースに進まないこと，授業時間数などを考慮し，微分方程式の解の存在と一意性の定理，17－リエ級数の収束に関する理論的内容は要点にとどめ，概念の理解と「解ける，使える」ということこに重点をおいて授業を進めている．その際，受講者に直感的な理解を与えることを目的とし，数式処理ソフトウェアMaple［1］を活用した教材を用いている．本論文では，教材の特徴を紹介し，これまでの2期の授業で得られた教材利用における問題点の整理したうえで，今後の展望などについて考察していきたい．