Feイオン共存下での電気Znめっきにおける不純物の共析挙動

摘要

Zn電析浴中にFeおよび無機，有機系の不純物を共存させ，不純物の共析挙動を調べた。 不純物としてFeとMoまたはNiが共存しても，Feの共析は認められなかった。 これはZn水酸化物抑制機構に従い，Feの析出が抑制されたためと考えられる。 しかし，FeとCuが共存すると，明らかにFeが共析した。 電析物のFe含有率は，電流密度が高くなるほど低下した。 Cuは拡散限界で析出しており，Zn（OH）_2が吸着していないFeの析出サイトを与える作用があると考えられる。 一方，Feと有機系のC18－Benzylが共存した場合も，Feが共析した。 Znの電析電位は，C18－Benzyl添加により分極しており，電析物のFe含有率は，電流密度が高くなるほど増加した。