ポスト石油時代の“分散型エネルギー社会”＜ホロック·パス＞：分散型エネルギー資源を活用する“ホロニック·エネルギー社会”の構築

摘要

2004年以来，原油価格は高騰しており，特に北米ではハリケーンの影響で2005年8月末には一時，WTI先物価格はバレル70ドル前後と記録的な高値まで上昇した。 他の資源価格も上昇し，さまざまな製品やサービスの価格上昇につながっている。 高騰した石油製品価格に反応し，世界的な石油需要の伸びはようやく低下し，さらにOPECあるいはロシア等非OPECでの生産能力増強が期待されるため，今後は若干沈静化すると思われる。 しかし，もはやバレル15～20ドルという安値の時代は期待できない状況にある。 このような化石燃料，特に輸送用で代替燃料の難しい石油製品の高価格が続く一方，規制改革で価格が低下している電力や長期契約で価格の安定している都市ガスは既にインフラのある地域ではより競争力のある燃料となっている。 今後，輸入元を含めてより多様なエネルギー資源を利用することが必要なことは論を待たない。