横浜市におけるアライグマの被害例と対策

摘要

平成17年6月に，「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」（以下，外来生物法）が施行され，これによりアライグマ（Procyon lotor）（およびカニクィアライグマ（P. cancrivous））が特定外来生物に指定され，基本的に，飼育，移動などが禁止されました。横浜市では，平成12年度に初めて2頭捕獲されて以降，市民からの相談が年々増加しています。 家屋被害対策として平成16年度に要綱を定め，捕獲を行ってきており，平成17年度には129頭を捕獲しました。 また，平成18年4月には，「神奈川県アライグマ防除実施計画」の環境省の確認がおり，横浜市をはじめとした県内の市町村でいっせいにアライグマの外来生物法による防除がはじまりました。 横浜市では，この確認を受けて，22年度までに市内から完全排除を目標に，アライグマの防除を進めています。 このため，17年までは家屋侵入のみの被害対策だったのを大幅に拡大し，18年6月からは，庭の鯉の捕食等の生活被害にも。 また翌月7月からは，JA横浜と提携して農業被害にも事業を拡大して，アライグマの防除に努めています。 その結果，18年度末での捕獲頭数は，301頭と大幅に増加しています。