トリス（（（サリチリデン）アミノ）エチル）アミン及びその誘導体を配位子とする希土類単核及び二核錯体の合成と性質

摘要

希土類の二核錯体は、金属-金属間の相互作用など、単核錯体にはない性質が期待され、注目を集めている。 しかし、希土類の高配位数を満たす配位子の設計は容易ではなく、単核錯体に比べると合成例は限られたものになっている。 最近我々は、N_4O_3型の配位子であるトリス（（（サリチリデン）アミノ）エチル）アミン（1）の希土類単核錯体を合成し、その構造を明らかにした。 本研究では、希土類の二核錯体の合成を目的に、トレン（2）とジアルデヒド（3）から、一分子内に1のN_4O_3型のユニットを2個有するN_8O_6型のシッフ塩基環状多座配位子（4または5）を新規に合成し、その錯形成挙動を調べた。