国際神経精神薬理学会議（CINP)の歴史：1958-2000

摘要

国際神経精神薬理学会議(Collegium Internationale Neuropsychopharmacologicum, CINP)は，向精神薬 が1950年代に医療に導入されて以後，向精神薬の基礎的，臨床的研究と実践の交流のために設立された国際会 議である.第1回会議は1958年にローマで開催され，それ以後，2年ごとに世界各地で大会が開かれて2012年 のストックホルム大会で第28回を迎えて発展を続けている.1970年代から日本人学者のCINPへの参加が多く なり，1990年には京都で第17回会議が，また，2001年には広島でCINP地域シンポジウムがそれぞれ開催され た.東アジア地区の会員の活動も活発になり，2010年には香港で第27回会議が開かれ，2014年にはソウルで第 29回会議の開催が予定されている.CINPには「歴史委員会（History Committee"が設けられ，CINPの創立の 経緯，会議の歴史の記録が出版されているが，本稿ではそれらを参考にしつつ，CINPの発展，日本人会員の関 与などを中心に，2000年頃までのCINPの歴史を述べた.