覚せい剤メタンフユタミン退薬時に認められる認知機能障害に対するカンナピノイドCB_1受容体拮抗薬ならびにCOX阻害薬による改善

摘要

覚せい剤依存者は，健常者に比べ注意機能，言語記憶， 作業記憶や実行機能が低下するなどの認知機能障害が認められる（Sofuoglu, 2010).この障害は，しばしば長期断薬 後にも遷延することが問題となっている.大麻乱用もまた， 注意機能，短期記憶などの高次機能の障害を起こすことが 知られている（Medina et al，2007).我々は，これまで大 麻の特異的受容体であるカンナビノィドCB_1受容体が， 覚せい剤methamphetamine (METH)退薬時に認められ る薬物探索行動の発現に促進的に働くことを明らかにし， 覚せい剤退薬時に起こる退薬症候発現へのCB_1受容体の 関与を指摘した.