青年期の豊かな環境はフヱンシクリジン連続投与マウスの ヒストンァセチル化に関連した行動異常を予防する

摘要

統合失調症は，10代後半から20代にかけて発症し，人 口の約1%と，非常に高い有病率を示す難治性の精神疾患 である.遺伝疫学的な研究から，統合失調症の発症に遺伝 要因が関与していることが強く示唆されている.双生児研 究によれば，一卵性双生児の発病一致率はおよそ50%で あるのに対し，二卵性双生児の発病一致率は十数％とかな り低いことから，発症に関わる遺伝的な素因があるのは確 かである（McGuffin et al,1995).同時に，一卵性双生児 の発病一致率が100%でないことは，環境要因も発症に関 与することを意味している.