慢性的なコルチコステロンへの暴露による不安様?うつ様行動と 扁桃体神経細胞の形態変化

摘要

扁桃体は情動の中枢である.うつ病や不安障害の患者に おいて体積増加や活動の亢進などが観察されていることか ら，扁桃体はこれら精神疾患の病態に深く関与すると考えられている（Lupien et al，2011; Shah et al，2009; van Eijndhoven et al，2009).また，こうした疾患の症状はストレスを除去した後も長期間持続し続けることが知られて おり，治療後の再発率も高いことから，脳における器質的 な変化は特に重要である可能性が考えられる.しかし，扁 桃体における構造レベルでの変化が引き起こされるメ力二 ズムは現在のところ明らかとなっていない.