EPLBDを施行した胆囊結石合併総胆管結石症例の期的予後について

摘要

胆囊結石合併総胆管結石症例は，無胆囊結石例と比較し胆囊からの落下結石による症状 再発や胆嚢炎など胆道感染をきたす可能性が高いと思われる。総胆管結石に対し近年は大口径バルーンを用いた乳頭バルーン拡張術(EPLBD)の有用性が報告されてきている。今回は当 院で胆囊結石合併総胆管結石症例に対してEPLBDを施行し，完全截石が得られた症例106 例の中期的予後について報告する。観察期間は約42カ月。結石再発は10例（約9.4%)で再 発までの期間は約32.5カ月（10.2~52.6)であった。胆嚢炎の発症を4例（約3.8%)に認め， このうち3例が約3.9カ月後（3.4~4.5)と比較的早期に発症していた。胆囊結石合併総胆管結 石症例に対するEPLBD後の再発率は比較的低いが，施行後早期に胆囊炎の発症が，中期に 結石再発がみられ臨床上注意が必要と思われた。