一般外来におけるF－scaleの役割

摘要

内視鏡検査で明らかな病変が認められないにもかかわらず，頑固な胸焼けを訴える症例は意外に多い。 逆に高度な逆流性食道炎の所見があるものの，胸焼け症状をほとhど訴えない症例もある。 このように検査所見と症状が一致しない場合には，症状が優先されるべきである。 循環器領域の狭心症，神経内科領域での一過性虚血発作など，その考えは一般的であるが，早期痛発見が優先されていた消化器領域では形態学が優先されてきた。 しかし，臨床現場では形態学と症状が禿離する症例が蓄積され，機能性胃腸症のような機能性疾患の概念が確立されつつある。 このような背景から，すべての初診患者が受診する当科外来において，GERD患者の動向，他疾患との関連などを検討した。