よりよいインフォームド·コンセント形成支援のための患者アンケート調査 その1気管支喘息（成人，小児）

摘要

医薬品処方に関するよりよいインフォームド·コンセント形成を支援するため，気管支喘息患者（成人喘息），またはその保護者（小児喘息）に対し，処方薬に関する不安，説明期待情報，処方薬重要視要素などについてアンケート調査を行った。調査票は複数の喘息患者会の協力を得て各会員に対し2007年1～3月に1585通配布し，494通の回答を得た（回答率31．2％）。 その結果，薬についてもっとも気になっているのは「副作用」で，成人喘息で57．8％，小児喘息で61．3％の患者·保護者が挙げた（複数回答）。 第2位は成人，小児ともに「いつまで薬を継続するのか」であり，特に小児では高かった。処方薬で重要視する要素に関する調査は，階層化意志決定法（AHP）の一対比較法を用いた。 その結果，重視度（プライオリティ）第1位は成人·小児ともに薬の「有効性·安全性」で，第2位は「医師のすすめ度」であった。 また，これらの結果は，処方されている薬の種類だけでなく銘柄別で差がみられた。 「薬を使いたくないときどうするか」の問いに対し，成人，小児とも半数以上が「医師に連絡する」と回答したが，自分の重症度を認識している患者では割合はさらに高くなっていた。