白血球増多を伴った急性上気道感染症群に対するtelithromycinの効果 投与開始2日後の白血球数と最終臨床効果

摘要

新規ケトライド系経口抗菌薬telithromycin（TEL）の臨床効果を早期に予測するため，白血球増多（10.0X10~3/muL以上）その他により細菌感染が考えられた急性上気道感染症群45例に本薬600mgを1日1回5日間投与し，投与開始2日後の白血球数および5日後の最終臨床効果を調べた。 最終臨床効果は，1例が心窩部痛による投与中止のため判定不能で，残り44例のうち体温および症状より43例（97.7％）で有効，1例で無効と判定された。有効43例における白血球数は，TEL投与前の10.1～21.5X10~3/muL（中央値12.5X10~3/muL）から投与開始2日後の3.6～12.0X10~3/muL（中央値8.1X10~3/muL）と全例で改善がみられた（Wilcoxon符号付順位検定p＜0.0001）。 これに反し，無効の1例では白血球数は投与前の11/7X10~3/muLから2日後13.1X10~3/muLと増加がみられた。 2日後の臨床症状は有効例でも症例によりばらつきがあり，評価が難しかった。 以上より，TELは細菌感染による急性上気道感染症群の多くに高い臨床効果を有し，その効果の予測に投与開始2日後の白血球数測定が役立つと考えられた。