総合ビタミン剤配合高カロリー輸液1500mL／日使用による血中ビタミンBl濃度を含めた有効性と安全性の検討－TPN1500mL／日使用の有効性と安全性－

摘要

必要エネルギー，水分量が比較的少ないと考えられる症例に総合ビタミン剤配合高カロリー輸液製剤（TPN）1500mL／日にて栄養管理を行い，血中ビタミンB_1濃度の推移を中心とした有効性と安全性について検討を行った。 対象は経口摂取が不可能となり胃瘻造設を目的として当院に入院した10症例（男性4例，女性6例）とした。 TPN製剤は，ネオバレン~R2号〔大塚製薬工場〕を用いて1500mLを24時間かけて投与し，その他の輸液や経腸栄養剤は使用しなかった。 TPN開始日（投与前），投与3·8日目に血中ビタミンB_1濃度と栄養指標，電解質を測定した。 投与8日目において血中ビタミンB_1濃度が正常下限値を下回る症例は認められなかった。 また，開始前に低値を示していた症例でも回復傾向が観察された。 栄養指標，電解質においても維持管理することができた.TPN1500mL／日において血中ビタミンB_1濃度を維持し，安全に栄養管理を行うことができた。