改訂長谷川式簡易知能評価スケール（HDS－R）が，うつ状態に隠れた認知症発見のきっかけとなった2症例

摘要

高齢者において，うつ病として治療を開始したがその後認知症の存在が発覚，もしくは当初からうつ病なのか認知症なのかの鑑別が困難な症例は少なからず経験され，加藤もうつ病と認知症の病態がせめぎあううつ病、認知症中間（移行）領域を想定している。今回，当初うつ病と診断されたが認知症が疑われ，改訂長谷川式簡易知能評価スケール（HDS－R）を施行し，その結果に基づき精査，治療につながった2症例を報告する中で認知症の早期発見に対するHDS－Rの有用性に触れてみたいと考えた。