治療関連骨髄異形成症候群(t-MDS)に対して行った同種末梢血幹細胞移植後早期に発症しTBLBで診断し得た肺接合菌症

摘要

ムコール等の接合菌症は一般に糖尿病や白血病等の易感染患者に好発するいわゆる日和見感染型深在性真菌症で，稀ではあるが予後不良である。 本症は血清診断等の有効な非侵葉的方法が存在せず，診断は侵襲的な生検による病理組織学的方法によるため生前診断が困難な場合が多い。今回われわれは，治療関連骨髄異形成症候群(卜MDS)に対し同種末梢血幹細胞移植を施行し，移植後早期に発症した肺接合菌症を経気管支肺生検(TBLB)で診断し得た39歳の女性を経験したので報告する。