グルタルアルデヒドによる尋常性疾贅の治療

摘要

25％グルタルアルデヒドの外用療法を試みた尋常性症贅13例の集計と奏効例1例を提示した．本治療は症贅が特に掌既に多発し，液体窒素療法で難治の例を中心に行った．ほとhどの症例はグルタルアルデヒドの外用療法により，1～4か月間で症贅が消返し，高い効果が示された．奏効した代表例は35歳，女性で，全身性エリテマトーデス（SLE）に対してプレドニンが投与されている両手掌足底の多発性症贅の症例で，3か月間のグルタルアルデヒドの外用療法で消過した．本治療は副作用として，稀に一次刺激性皮膚炎やアレルギー性接触皮膚炎を引き起こすことがあるため，注意深い経過観察と事前のインフォームド?コンセントを要する．グルタルアルデヒドの外用療法は小児例，掌折などの多発例に対し，痺痛がなく簡便で効果的な治療方法であると考えた．