小児がhに対する造血幹細胞移植後の晩期合併症

摘要

小児がhの造血幹細胞移植後に認められる主な晩期合併症についてレビューした.移植後の晩期合併症は,全身照射と大量化学療法のいわゆる前処置に伴うものと慢性Graftversus Host Disease(GVHD)によるものと大きく二つの機序に分けられる.肺障害は,移植後の晩期合併症として生命予後に関わる重要な合併症である.移植後には内分泌系の問題が生じることが多いが,成長障害·甲状腺機能障害が主なものである.骨髄破壊的な通常移植後の小児がh経験者の不妊率は98-99%にも及ぶ.移植後は二次的な免疫不全となるため移植を受けた患者へのワクチンの再接種は不可欠であり,再接種の基準を示した.二次がhとしては,移植後15年の固形腫瘍累積発症率は11%と推定されており,発症には慢性GVHDと放射線治療が関わっている.これらの結果は移植後の小児がh経験者の長期フォローアップの重要性を示している.欧米の主な移植グループ合同(EBMT/CIBMTR/ASBMT)で作成された移植後長期フォローアップのスクリーニングと予防に関する推奨ガイドラインを示した.