難治性乾性咳嗽に対し胸部固定帯治療が鎮咳に効果を認めた1例5

摘要

間質性肺炎に伴う乾性咳嗽は難治性で，患者の生活の質を損なう要因となることが多 い.われわれは胸部固定帯を用い難治性乾性咳嗽に対する症状の軽快を認めた症例を経験したため，文献的考察を含めて報告する.症例は間質性肺炎の70歳男性.ステロイド治 療，免疫抑制剤加療中に乾性咳嗽の悪化を認めた.中枢性鎮咳薬を使用するも咳嗽の改善 を認めず.同症例に対し呼吸困難の改善を目的に胸郭下部に対して呼吸介助法を行ったど ころ咳嗽の軽快を認めた.自己でできる呼吸介助法として胸郭の圧迫を目的に軟性の胸部 固定帯を装着したところ，同様に咳嗽の軽快を認めた.胸部固定帯治療が乾性咳嗽治療に おける一つの治療法となる可能性があると考えられた.