肝移植患者と生体ドナーの身体的，精神的QOL

摘要

今日，日本における肝移植は，その99％が生体ドナーからの臓器提供によるものであり，依然として脳死ドナーからの臓器提供を得ることはきわめてまれである。 生体肝移植は生体ドナーを必要とするその特殊性から，ドナー決定に際し，ドナー候補者，レシピエント本人，その家族に非常に大きな心理的負担が生じると予想される。 また，術後の経過においてもドナー側からの見地からは，予想以上の術後痺痛，ボディーイメージの変化，予期していなかった合併症，提供したレシピエントの術後経過などにより，多大なストレスを感じる可能性がある。