脳血流SPECTを用いた慢性脳動脈閉塞症例に おける側副血行の検討側副血行による動態脳血流SPECTの集積遅延への影響

摘要

慢性的な頭蓋内脳主幹動脈閉塞をきたした症例 では血圧変動などにより，虚血発作や梗塞に陥る 危険性がある。それらの症例のうち，側副血行 の発達により虚血ェピソ一ドを免れる例も存在す るが，側副血行の発達には個人差がみられる。そ の発達の度合いにより虚血にさらされるリスク， 虚血発作時の重症度も異なる。頭蓋内'頭頸部 動脈の狭窄部位?程度や側副血行発達を評価する 標準的な手法は血管造影検査である。脳実質への血流供給状態を評価するためにSPECTが広く 用いられている。脳循環予備能を調べるために， 安静時と血管拡張剤(acetazolamide)負荷下でそ れぞれ脳血流SPECTを施行し，血流分布変化か ら血管反応性を評価する方法が一般的である。