移動伝搬特性に基づくグループ秘密鍵共有の初期検討: （その1）星型接続における従来方式の課題と新方式の提案

摘要

近年，移動通信など無線通信の普及·発展が目覚しく，最近では第五世代移動通信システムの導入が進められている．ここで，無線通信は開かれた空間を介して電波を送受信するため，盗聴や不正ァクセスの対策が重要であり，共通鍵暗号や公開鍵暗号などの暗号を用いるのが一般的である．なお，移動通信の場合，端末での処理演算量の関係で共通鍵暗号を用いるのが一般的である．ここで，共通鍵暗号は，鍵管理や鍵配送が必要となることが課題である．さらに，無線通信において共通鍵暗号による複数端末への同報秘密通信の需要や共通鍵によるグループ認証の需要があり，グループ秘密鍵の管理や配送が重要となる．ここで，グループ秘密鍵の配送は，複数端末に同一鍵を配送することで容易に実現できる．