日本の石油産業の行方

摘要

原油価格が荒い値動きを示している。国際的な指標となるニューヨーク商業取引所（NYMEX）の米国産WTI原油の先物価格は、二〇〇八年のリーマンショック後の落ち込みから急回復し、堅調な世界経済の成長を背景に一四年前半まではバレル当たり一〇〇ドル台を維持していた。しかし、同年一〇月頃から地滑り的な下げがはじまり、一六年二月一一日には、リーマンショック直後につけた最安値三六·六一ドルを下回り、一二年ぶ年の安値二六·〇五ドルまで落ち込hだ。WTI原油先物価格の過去最高値は〇八年七月一一日に付けた一四七·二七ドルであるので、最近の最安値は単純計算で八〇%を超える大幅下落になる（なお四月二二日時点では四〇ドル前半まで戻している）。