拡大する「食」と「農」の距離

摘要

今年の食料·農業·農村白書は「『食』と『農』の距離が拡大している」と指摘した。 食料の生産（農）と消費（食）の直接的な結びつきが弱まっていると言うのである。 その理由として白書は、「食」の外部化·サービス化、簡便化の進展を挙げる。わが国の食料消費は第二次大戦後、量的にも拡大したがその内容も著しく多様化した。 米など穀類の消費が激減する一方で、肉類、牛乳·乳製品、油脂類の消費が著しく増加した。 食料消費の形態も、単身世帯の増加、高齢化の進展、生活スタイルの多様化などを背景に、綿々と続いてきた家庭での調理や食事を、調理食品（総菜、解凍したらすぐ食べられる冷凍食品、食品缶詰·瓶詰など）や弁当などの「中食」や、「外食」で代替させる傾向が強まってきた。