戦略的基盤技術力強化事業の開発成果と今後の展開：アシスト用直動アクチュエータユニットに関する研究開発成果の概要と今後の展開

摘要

2007年問題に代表されるように，我が国では高齢化が急速に進展しつつあり，社会問題となっている。 高齢になるにつれ身体能力が低下してくるのはやむを得ないことではあるが，中でも加齢に伴う歩行機能の衰えは，歩行が日常生活に関する基本的な動作であることから大きな問題である。 このような観点から，離床·起立·着座等を含む歩行動作に着目した支援機器，自立生活をサポートする機器が望まれている。 しかし，実用化や普及が進hでいるものは必ずしも多いとは言えず，新たな機器開発が急務である。歩行に関連する動作を物理的に支援するためには人体に直接触れることが必要であり，人と機器との間に作用する力の計測，制御機能を備えたものであることが望まれる。そこで，このような動作を支援するアシストシステムの実現を目的として，力制御機能を備え，ロボット部品として拡張性，低コスト化にも配慮を加えた直動型アクチュエータユニット，ならびにこのユニットを用いてベッドからの立上り動作をアシストする離床支援システムを開発した。