自然災害から電気設備を守るには－電気設備の地震による影響と対策

摘要

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による東日本大震災での地震，津波などの影響により，15000人以上の死者，4000人以上の行方不明者が出るなどの被害が生じ，また，ライフライン．においては，約180万戸の断水，約42万戸の都市ガス供給停止，約870万戸の電力支障，それに加えて，道路·交通においても，6線路の新幹線運休，42社177線路運休停止，15線路の高速道路や711区間の国道通行止など，多くの被害が発生した。また，一般民需関係の事業所の電気設備が損壊や水没などの被害に見舞われ，生産活動に支障を来し，ひいては事業の存続さえも脅かされる事態となった。種々の報道によれば，想定外であったとの声も聞くが，実際に起こった事実を謙虚に受け止め，どのような状況であったか，そして，今後の保守·保全に参考となることはないかを考えてみた。本稿が東日本大震災で得た様々な事象を大きな教訓として，保守·保全に携わっている技術者の方々の一助になれば幸いである。