温度差マランゴニ効果による懸垂液滴内対流場と粒子挙動

摘要

我々の研究グループでは，MEIS実験運用開始前から非合体対向液滴内に生起する特徴的な対流場に注目し，実験的に研究を行ってきた．それにより，対向ディスク間温度差およびディスクの押し込み量によって，高温側ディスクに懸垂する液滴内において，万遍なく分布していたトレーサ粒子が次第に2次元的なある特定のリング状構造に集合し，さらに温度差を大きくすると，周方向に一定の角振動数を有する3次元的構造へと遷移する過程が存在することを示した（Fig.3）．また，このような粒子集合現象は，対向液滴のみならず懸垂液滴においても同様に生起することを示してきている．本稿では，このような半球状の懸垂液滴に生起する温度差マランゴニ対流と，トレーサ粒子群が呈するユニークな構造について，地上での実験結果を主に紹介する．