エアロゾル·デポジション法によるFe/Ni-Zn-Cuフェライト複合膜の作製と電磁波ノイズ抑制効果

摘要

近年における電磁波の利用周波数はGHz帯域に及び、電磁波干渉問題が懸念されている。その対策として電磁波吸収体が注目され、磁性材料の場合には高電気抵抗ρ、高複素透磁率μ{sub}r”の材料が必要とされている。 しかしながら素材レベルの電磁波吸収量は体積にも依存するため、デバイスに組み込める最大の体積を持つよう高速で厚膜の作製が可能なプロセスが求められる。 我々は、これまでに高速で緻密な厚膜の作製が可能であるAerosol Deposition (AD)法を用いてSm-Fe-N系磁石厚膜やNi-Zn-Cu系フェライト膜を作製し、その磁気特性について報告してきた。さらに、最近、N-Zn-Cu系フェライトとFeの混合粉末を用いた複合AD膜がAs-Depo状態でも高い電磁波ノイズ抑制効果(△(P{sub}(loss)/P{sub}(in)))を示すことを報告した。しかしながらこの場合、AD膜内の組成制御が難しいという問題点がある。 そこで本研究では、この問題点を改善し、さらなる特性向上のため、Ni-Zn-Cuフェライト粉末とFe粉末をそれぞれ独立のノズルから噴射させて多層化を試み、磁気特性、電磁波ノイズ抑制効果を調べた。